サハラマラソンに出てリタイアしてきた話

はじめに

4/3-4/16に有給をもらい、第29回サハラマラソンに参加してきました。 結果をだけ書いておきますと、自分は2日目の第2チェックポイントでリタイアしました。

今回は主に失敗した原因について書いています。

サハラマラソンとは

サハラマラソンとはその名の通り、サハラ砂漠でマラソンをします。 ただ通常のマラソンとは違いステージ制のレースで1日ごとに全く別のコースを走ります。

サハラマラソンでは6ステージを7日かけて、総計240km走ります。 今年のステージ構成は以下の通りです。

  • リエゾンステージ 34km
  • リエゾンステージ 42km
  • リエゾンステージ 37.5km
  • ノンストップステージ 81.5km
  • マラソンステージ 42.2km
  • チャリティステージ 7.7km

また、レース中の食料や寝袋などは全て自分で用意し、全て背負ってレースを行います。

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失敗した原因

失敗した原因を思いつく限り挙げています。 ただ、いくつも挙げてはいますが、今回の失敗の原因の9割はゲイターの不備が占めています。

ゲイターの不備

ゲイターは公式サイトで販売している靴全体を覆うものにするべきでした。これは海外からの輸入の面倒さに億劫になって、近場のスポーツショップで済ませようとしたのが間違いでした。スポーツショップで売ってるものは足首部分しか覆われないので本物の砂砂漠には不適切でした。

スポーツショップで売ってるものを使う場合でも、トレッキングシューズにするべきでした。ランニングシューズは通気性重視のためアッパーがメッシュ構造になっていますが、トレッキングシューズは泥を入れない構造になっているので、これであれば足首部分だけのゲイターでも十分機能しているようでした。

まとめると、

のどちらかである必要だったでしょう。

ハイドローションの不適切さ

過去の参加者のブログでペットボトルのみを取り替えられるのがよいと読み、バックパックの前にペットボトルをつける装備で臨んだのですが、これは水をチェックポイントでほとんど飲みきってしまって、チェックポイント間を1時間程度で走りきるようなかなり上位狙いをする人の発想で、自分のような初心者にとっては細めに水を取っていくことになるので如何に1回当たりの給水の手間がかからないかを考えるべきでした。

さらに、オンロードのフルの経験のみで、トレイルやトレッキングの経験がなかったので給水の重要性が理解できていませんでした。

自分の場合、オンロードのフルだと3時間程度で走りきってしまうので、1回のレースでそれほど水を必要とせず、トータルでも1Lいくかいかないか程度しか給水しません。

なので、ハイドローションを使ったことがなく、それを必要とするような状況、その使い方など、自前で細めに給水するということに全然ピンときていませんでした。

オフロードの経験のなさ

トレイルやトレッキングの経験がないと述べましたが、足下の技術についてもオンロードのものしか持っておらず、様々な場面での対応に意外と困りました。

オンロードの場合、足下が安定しているので、求められる足場への対応はせいぜいフラット・アップ・ダウンなので、とにかく速く足を運ぶことだけを考えていればいいです。

乾燥した滑りやすい土の上を走ることはありましたが、砂漠に比べれば全然走りやすい環境でした。 これに対しオフロードの場合、足下がとにかく不安定なので、如何に足にダメージを蓄積させず歩を進めるかが要求されました。

砂の上だと一歩先の足場の固さは踏んでみるまで分からないですし、岩場だと足の裏へのダメージが大きく、これらに対してロードでの膝や足首の使い方では対応できませんでした。

パッキングの軽視

アルファ米などは買ったそのままで、その他の食料も1日分ごとにスーパーのビニール袋で小分けするようにしていましたが、これが結構かさ張って荷物全体が膨らんでしまい、重心を保つのを難しくしていました。

また、財布やパスポートは防水対策をしていなかったので、上から水をかぶることも容易ではなかったのダメでした。 Ziplockで防水性を考慮しつつ、同一の食料はまとめてパッキングして圧縮することをもっと考えるべきでした。

食料が多かった

食料は意識して少なめにするようにして、14000kcal必須のところを16000kcal程度にしましたが、実際走ってみると少し多い気がしました。 おそらく14000kcalギリギリでも十分持つと思います。 あと、味噌汁は飲みたいと思って持っていきましたが、これは要りませんでした。本当に必要なもののみに絞った方がよいです。

よかったこと

練習の過程で荷物の重さが10kgを超えると肩に内出血ができたり筋肉痛になるなど体への負担が大きいことに気づき、できるだけ荷物を軽くする方向に考えがシフトできたのは幸いでした。 不安に駆られて色々と物を詰め込みがちですが、そこをぐっと堪えて「本当に必要なの?」と自問しつつ不要な物を切っていけたのは良かったです。

まとめ

物事の成否を分けるものとして、成功要因と失敗要因があります。 成功させるためには「より多くの成功要因を積み重ね、失敗要因を全て排除する」必要があると自分は考えます。 言い換えれば「失敗要因を一つでも抱え込むと成功要因をいくら積み上げても失敗する」と思ってます。 今回、自分は致命的な失敗要因を踏んでしまい、リタイアすることになりました。 今回書いた失敗談が、今後参加される方の参考になると幸いです。